二律背反 2009 11 22

書名 知らないと恥をかく世界の大問題
著者 池上 彰  角川SSC新書

 池上氏は、こう危惧しています。
「アメリカが財政赤字に悩んでいるのは、
もちろんブッシュ政権の負の財産です。
 前任者のクリントン大統領の時代に積み上がった財政黒字を、
ブッシュ大統領は、金持ち優遇の減税で使い果たし、
アフガニスタン、イラクへの攻撃で巨額の赤字にしてしまいました。
 これを引き継いだオバマ大統領は、
景気回復と財政再建という二律背反の政策に取り組まざるをえません」
 確かに、状況は厳しいと思います。
これでは、アクセルとブレーキを同時に踏むようなものでしょう。
 やはり、景気回復を優先し、
景気が回復するまでは、中国に助けてもらうしかないでしょう。
ニューズウィーク日本版の2004年10月6日号には、このような記事があります。
(以下、引用)
「FRBは、短期金利を操作できるかもしれないが」と、
国際経済研究所の研究員は言う。
「長期資金の支配者は中国だ」
アメリカ政府が断固たる態度に出られないのは、
財政赤字の穴埋めを外国資金に依存しているからだ。
 また、別の専門家は、
「中国は完全にアメリカの急所を押さえている。
中国がドル買いをやめたら、長期金利がはね上がり、
資本を安く調達できる時代は終わる」と言う。
(以上、引用)
「私たちは文字どおり、借りた金と、借りた時間に頼って、毎日を過ごしている」
1985年2月20日、ポール・A・ヴォルカー

二兎を追う者は 2009 10 18
 デフレ経済下において、緊縮財政を行えば、経済は破壊されます。
結果として、さらにデフレが進むことになります。
 ここで何が言いたいのかというと、
デフレ対策と財政再建は、両立しないということです。
「二兎を追う者は一兎をも得ず」
厳しいことですが、どちらかを選択する必要があります。
 しかしながら、現実には、往々にして、両方とも同時にやってしまうものです。
なぜかというと、これらの政策を担当する機関が別々だからです。
個々の行為は正しくても、個々の行為の合計が正しいとは限らないのです。
 そういうわけで、内閣として、どうしたいのか意思統一して行動する必要があります。
また、政府と日銀も、よく話し合う必要があります。
 アメリカは、政府関係機関やFRBが一致団結して経済危機に取り組んでいるように見えます。
アメリカ人は危機の時は一致団結して行動するという特徴が出ていると思います。













































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